市販の解答が「間違っている」わけ

市販されている模範解答は、「間違っている」ということは、巷間言われていることであり、インターネットで情報が得られる現代では、ほとんどの受験生にとっては常識だろう。

加えて、個人のブロガーや、東大の学生が小遣い稼ぎか何かでやっているようなネット塾なども右へ倣えとなている。それはなぜか?

個人や学生はともかく、大手の出版社や大手の予備校の答案例は、「実用答案」と呼ぶべきものである。何に取って実用なのかと言えば、それは、出版している者にとって実用なのである。ビジネスとしてやる以上、「より多く」「より高く」ということが目的なのである。

従って、解答例は、合格最低点を目指して作ることになる。そのレベルの読者が一番多いのであるから、当然のことだ。本当の正解は、予備校の講師にとっても難しく、理解ができないものであるので(私は実際に、大手予備校で、それを試したことがある)、到底、普通の読者には不向きなものである。

それよりは、「これなら自分にも書けそうだ」と思って、受験をして貰わなければならない。受験指導はビジネスであるので、読者が、その出版物を読んだ結果、「これは到底自分には、できない。もう駄目だ」と思うようなものを読ませては、顧客満足度は最低になってしまう。

ほどほどにできそうな感じというものは、テレビのクイズ番組でも、受験本でも、求められているテイストであると言える。この「間違い」は、実は、読者がそれを喜び、求めているからこそ、そうなる。 その意味で、実は、読者が潜在的に求めているもの、詰まり、読者が潜在的に、「東大入試というものはこういうものだろう」と期待しているところを満たすように作られているのである。

私は、ここでは、正解と思しきものしか提出しない。少なくとも、「顧客満足度」を狙って、期待されているような合格最低の答案などを提出するようなことはしない。

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