東大の論述式問題は、あなたに何をもたらすか?
小学校では、地頭のいい子が成績が良い。中学校では、地頭が良く、物を覚えることに抵抗がない子が成績が良い。<京都大学以下>の全ての文科系学部においては、暗記力に優れた生徒が、合格する。それは、それらの大学の入試問題が暗記中心の出題であるからだ。
しかし、本来、小学校では地頭、中学校では暗記、高校では考える、というように、勉強の内容自体が、徐々にステップ・アップしてゆかねばならない。その勉強の質の進歩と共に、勉強の自律性というものも高まって行くことが期待されている。
ところが、普通の大学の入試問題が暗記中心の問題であるがために、多くの高校生は、暗記中心の勉強をしてしまう。これは、「正解がある」ことを前提とした勉強であり、答えを確認しては、一喜一憂する勉強である。このような「予め答えがある」ような課題に取り組むのは、大学での研究態度ではない。
暗記中心の勉強に慣れ親しむことによって、日本の学生が、過度に失敗を恐れ、1つの正解に定まらない問題に取り組むことが苦手になるように見える。
東大の入試問題は、これとは全く違う。あなたに、とことん考えることを求めている。基礎的な知識や原理に基づいて、それを使いながら、「見たことがない」問題に、自分の頭で取り組むように求めている。だから、あなたは、知識を憶えるのではなくて、考えることを身に着けねばならない。