英語が分かるとは(順次決定)
英語を読んで理解するという技術のレベルには、順次決定(構文を決定してから、それに基づき意味を理解する)、同時決定(構文決定と意味決定を同時に行う)と、無決定(構文を考えずに、意味を直接理解している)の大別して3つのレベルがある。実際には、常に、この3つのレベルの技術を使い分けながら読んでいるのである。
英語という対象については、書き言葉、話し言葉の大別があり、書き言葉についても実用英語と称される(おそらく日本だけで行われる分類だろうが)抽象度の低い、新聞記事程度までのもの、子供の読み物のようなもの、抽象度の高い哲学的なもの、の3つくらいの程度にわかれる。
この対象のレベルの差が、読み手の繰り出すべき技術のレベルの差になっている。経験に従って、難易度の「低い」ものから「高い」ものへ、「短い」ものから「長い」ものへと遷移させるような指導法もあるのであるが、それぞれに求められる知的な作業が異なるので、「短い」「平易」であることが、取り組みやすいということには、必ずしもつながらない。
寧ろ、それぞれに必要な技術的要素を取り出して、それを効率的に習得できるような練習法(アプローチ)が合理的だろう。ここでは、ほとんどの人は、順次決定までができれば、実用の役には十分であろうと考えて、まず順次決定の技術についての説明を行う。この技術は同時決定へ進む為の基礎ともなる技術であるから、いずれの山を登る場合であっても、必ず通るべき登山口であると言える。
但し、受験までの日数が短い人は、同時決定へ進むことはできない。「間違って編み始めた編み物を正しく編み直すために、一旦、全部をほどかなくてはならなくなる」からだ。これは、順次決定から入る場合の最も注意すべき点である。同時決定は、日本語を介さないで直接英語の意味を理解してゆく方法であるので、それには、日本語という第一段ロケットが「切り離し可能」なように学習が進められていなくてはならないからだ。しかし、多くの人にとっては、順次決定で十分に立派な学習の成果であるので、気に病むことはないだろうと思う。
以下に、「英語を順次決定で理解する場合には一体どのようなことができているべきか」についての解説を行ったので、ご覧頂きたい。
https://www.youtube.com/watch?v=bUfKdhvibCE
https://www.youtube.com/watch?v=YYnpB4ASZqk
https://www.youtube.com/watch?v=-6u_l12nFjA&feature=youtu.be