英語で読む愉しみ

原文で読めると、翻訳で読むのの数倍は、面白く読むことができます。もし、あなたが「名作と言われているのに、全然面白くなかったな」と感じた作品があるとすると、それは、翻訳だったからかも知れません。でも、それは、翻訳者が悪いのではない。「横のものを縦にすると、見えなくなってしまうもの」が多いのだから。今回はそういうことをお見せして、「構文なんで、ネイティヴの人は考えていない」という考え方がいかに間違っているかを示したいと思います。
 本文の途中で2回挿入される後置修飾語句の、 ,dry and white in the sun, と  ,stirred by the breeze, が、いずれも「死」の隠喩であることは、文法と作者の修辞上の意図とが、明確な結びつきを持っていることを示しています。ぎりぎりまで削ぎ落とされた簡潔な表現が、自然描写の間に挿入されることで、印象深い効果を挙げています。
 また、最終文のSVOC,OCという行進の足音が、  stirred by the breeze, で粉塵が舞い上がった後に、その粉塵が地面に振り、画面が静かになるという動きを準備していることによって、afterward以降の最後の締めくくりに余韻が生まれていることなども観察して頂きたいと思います。

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